モタドラ回路製作記事2回目です。
前記事ではドライバ回路の概要を記載したので、回路設計に入っていきます。
たくさんの数式が出てくるので、注意です。
言っても、四則演算ですが。
ドライバ回路の、ハーフブリッジを抜き出した図です。
ブートストラップ回路は比較的単純に構成できます。
使用部品は、
R1、R2 : ゲート抵抗。
R3、R4 : G-S抵抗。
C1 : ブートストラップコンデンサ。
C2 : IC用バスコン。
D1 : ブートストラップダイオード。
です。
ここから、部品の選定です。
まずは、ブートストラップコンデンサから。
ブートストラップでは、ハイサイドのゲート駆動電圧を、ブートストラップコンデンサによって得るため、ゲート駆動に必要な電荷を貯めれるコンデンサを用いないといけません。
ブートストラップコンデンサの容量の決め方は、IR社の資料にありました。
http://www.irf-japan.com/technical-info/designtp/dt98-2j.pdf
ブートストラップによって供給される最小の電荷量をQbsとすると、
Qbs = 2Qg + (Iqbs / f) + Qls + (Icbslk / f)
Qg : ハイサイドFETのゲート電荷。
Iqbs : フローティング電源の静止電流
f : 周波数。
Icbslk : ブートストラップコンデンサのリーク電流。
Qls : 周期ごとに必要なICのレベルシフトチャージ。 IR2110は5nC。
で、求められます。
なぜ、ゲート電荷を2倍にして計算しているのかがよくわかりません...。誰か教えてください。
ブートストラップコンデンサは、この電荷を供給して、最大電圧を保たないといけません。
もし、この電荷量をギリギリ供給できる程度の容量なら、電圧がガッツリ下がって、ハイサイドを駆動することができなくなります。
そのため、コンデンサの電荷Qbsは、さっきの式の2倍は最低限必要です。
そのことを考慮して、コンデンサの容量を計算します。
C >= (2 * Qbs) / (Vcc - Vf - Vls)
Vcc : ドライバICの電源電圧。
Vf : ブートストラップダイオードの順方向電圧降下。
Vls : ローサイドFETの電圧降下
この容量のコンデンサが必要です。
ただし、この容量は最小限必要とされる値です。
小容量のコンデンサは過充電を引き起こす可能性があって、ICが損傷する場合もあります。
そのため、このコンデンサ容量は、最低限必要な容量の15倍程度にしたものを目安にします。
で、今回の例に当てはめてみます。
まず必要な電荷量Qbsを求めます。
使用するFETは、IRBF4410です。(図中は、IRFB3607と書いてますが、こちらを使う予定です。)
http://akizukidenshi.com/download/ds/ir/IRFB4410%20IRFS4410%20IRFSL4410.pdf
ゲート容量Qgは、180nCが最大値です。
ブートストラップコンデンサのリーク電流、、、わからん。
と、思ったら、これは電解コンデンサを使うときだけ考えればいいらしい。ひとまず0Aにします。
IqbsはIR2110のデータシートに載ってました。 230uA(max.)です。
動作周波数ですが、1kHz ~ 25kHzで動作させれたらいいなーと思っているので、1kHzと25kHz両方で計算します。
Qbs1 = 2 * 180 * 10 ^ -9 + (230 * 10 ^ -6 / 25000) + 5 * 10 ^ -9 + (0 / 25000) = 374nC
Qbs2 = 2 * 180 * 10 ^ -9 + (230 * 10 ^ -6 / 1000) + 5 * 10 ^ -9 + (0 / 1000) = 595nC
Cを求める式、(2 * Qbs) / (Vcc - Vf - Vls)の分母部分は、
Vcc : 12V
Vf : 0.7V
Vls : 0V
とします。
計算すると、
C1 = (2 * 374 * 10 ^ -9) / (12 - 0.7 - 0) = 66nF
C2 = (2 * 595 * 10 ^ -9) / (12 - 0.7 - 0) = 105nF
です。
この値の15倍ですから、1uF~1.5uFの容量が必要になります。
手元に、1uFのセラミックコンデンサがあるので、これを使いたいと思います。
http://psearch.murata.co.jp/capacitor/product/RDER71H105K2K1C03B.html
1uFで誤差10%ですから、0.9uF~1.1uFですね。
ギリギリですが...。うん。大丈夫でしょう。(おい
しかぁし、先ほどの資料の中に、「少なくとも一つは低ESRコンデンサをデカップリング」という文字を発見してしまいました。
このセラミックコンデンサのインピーダンス-周波数特性を見てみると、1k ~ 25kHzで、1Ω弱ぐらいのインピーダンスがあります。
この値で大丈夫なのかな、という心配がありますが、大丈夫だと思うことにします。
とりあえずこれでブートストラップコンデンサの選定が終わりました。
次はゲート抵抗です。たぶん。
では、しーゆーあげいん!
Hello, can you give me full schematic of your project? Please email me on mffakhrezy@gmail.com
返信削除thanks